ツキノワグマ 2003年

奥多摩の集落から少し離れた柿の木に、地主の方に了解を得て、自動撮影カメラを設置しました。初冬になって柿の実を求めてツキノワグマがやってきました。

2003.12.7 ツキノワグマ

サルが落とした柿の実をあさるツキノワグマ。頭の毛がかなり赤味を帯びた個体である。

付近に落ちていた柿を食べたクマの糞

柿の木に残された親子のクマの爪痕

ハサミのすぐ上の小さな爪痕が仔グマ、その上の大きな爪痕が親グマのものと思われる。

柿の木は、もともとは飢饉のための保存食や甘味用として干し柿を作るために植栽されてきたが、近年は、集落の過疎化・高齢化や食嗜好の変化で、秋になっても収穫されずに樹上に放置される柿の実が増えてきている。こうした柿の実は、これからきびしい冬を迎える動物たちにとっては格好のご馳走で、ここにご紹介したように、様々な動物たちが集まってきて利用している。そうした中で、特に最近、年によっては、クマが人家近くの柿の木に頻繁に出没し、人身事故が危惧される事態が生じてきている。こうした事態を受けて、奥多摩町と奥多摩ツキノワグマ研究グループなどが共催で、柿もぎ・干し柿づくりイベントをおこなったり、クマが登れないように柿の木にトタン板を巻く等の対策を始めている。詳細は、奥多摩ツキノワグマ研究グループ・山崎晃司さんのHP「東京のクマ」や雑誌「山と渓谷」2003年3月号の記事「山の学校3 クマと柿の甘い関係 東京奥多摩に見るツキノワグマと山里の生活」(文:神谷有二さん)をご覧ください。

初冬、標高700mほどの雑木林の急斜面をトラバースしている仕事道をツキノワグマが通りました。

2003.11.25 雨で濡れながら歩くツキノワグマ。はっきりわからないが、この時期としては、あまり太っていないように見える。

2003.11.28 ツキノワグマ

今年の夏は、長雨と低温が続いたこともあって、クマの重要な食料であるドングリや木の実類が不作であった。

1200mほどの雑木林に設置したビデオカメラからの映像です。

2003.9.28 5:53

クマが現れ、カメラのぞき込み立ち去る。真ん中の枯れたハリギリの木には、サルナシのツルがからんでいて実がたくさん着いているが、関心を示さなかった。動画はこちらから

標高1000mほどにあるウワミズザクラの木に設置した自動撮影カメラによる写真です。

8月27日 16:16

1999年8月16日にも、この木にクマが登っているところに遭遇した。遭遇の様子は「東京のクマ」HPの遭遇記録ケース1をご覧ください。

8月27日 16:23

あまり、実のつきがよくないためか、短時間で下りてきた。

標高1000m位の雑木林内の50mほど離れた2本のヤマザクラの木に、自動撮影カメラを設置しておいたところ、ツキノワグマとテンがやってきました。

2003.7.11 5:35

ストロボが不発でシルエットになってしまった。

2003.7.11 6:07

5:35に登ったクマが、下りて来るところだろうか。

2003.7.11 14:58

仔グマが、奥の幹を登ろうとしている。

2003.7.11 15:10

仔グマの母親であろうか、登ろうとしている。首のツキノワだけでなく、お腹にも縦に,白い毛がある。

2003.7.11 15:13

登ろうとしてカメラの動作に驚いて止まっていて、また再び登ろうとしているのか、下りようとしているのか不明。

2003.7.11 15:24

14:58 に登った仔グマが下りてくるだろうか。

母仔グマ(?)が登ったヤマザクラの木

幹に残された仔グマの後ろ足の爪痕

2003.7.11 14:38

ストロボが不発。

2003.7.11 14:38

カメラの動作にもめげずに登る。

2003.7.11 14:50

下を見ながら下りてくる。

標高1300mほどのブナを中心とする雑木林に設置した自動撮影ビデオからのツキノワグマの静止画像です。

動画を見たい方はこちらから。(データ量が多く重いのでご注意ください。なお、動画を見るためには、Apple Computer社のQuickTimeが必要です。)

2003.6.27 9:34 ツキノワグマ

カメラをのぞき込み悠然と立ち去る。立ち去る後ろ姿の股間に陰嚢が見え、オスであることがわかる。繁殖期(交尾期)に入り、メスを求めて歩き回っているのであろうか。

2003.7.25 14:53

カメラを気にしながら、通り過ぎていく。

2003.7.25 16:35

14:53に通過したクマと同一のクマかどうかは不明であるが、その可能性は高いと思われる。

2003.7.26 15:39

見下ろすように設置した自動撮影カメラの前を15:38に通過したクマが、100mほど離れたこの場所を通過したらしい。この付近では、倒木を爪で崩したり、地蜂の巣を掘り返したりした跡が見られた。

標高1300mほどのブナを中心とした雑木林の中に、見下ろすように自動撮影カメラを設置しました。

2003.7.26 15:38

ツキノワグマが通過する。

2003.7.26 15:38

カメラを見上げてのぞく。この直後に、100mほど離れた場所に設置した自動撮影ビデオに映ったようである。(上のビデオ画像)

標高1300mほどの尾根のブナを中心とする雑木林に設置した自動撮影カメラによる写真です。

2003.5.6 18:09 ツキノワグマ

地面に横に置いてある枝の長さが1mなので、体長1m20〜30cm位ありそうである。肩が盛り上がり、胸のあたりの皮膚がだぶついている。この時期としては非常に太っている。

2003.5.6 18:09 ツキノワグマ(連続写真)

カメラの動作に気づいて、のぞき込む。

2003.5.6 18:09 ツキノワグマ(連続写真)

悠然と立ち去る。クマがカカトまで脚をついて歩く動物であることがよくわかる。

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