2011年の写真・映像 このページでは、2011年に撮影した写真・映像をご紹介しています。後ろの方ほど、古いデータになります。動画をご覧になるには、Apple Computer社のQuickTimeが必要です。

Windows版のQuickTimeもありますので、Windowsパソコンの方もインストールすれば動画もご覧になれます。)

     

    

7月3日から、標高950mほどのスギ植林地内の数本ある樹皮の剥かれたカラマツに

自動撮影カメラを設置しました。周囲のスギやカラマツに多数のクマ剥ぎ跡やシカの角研ぎ跡がある森です

カラマツの剥かれた幹からは、樹脂(松ヤニ)がしたたり、辺り一面に芳香が香っています。

スギの植林地でカラマツが混じる。

広葉樹林との境界から30m位

スギへのクマ剥ぎが非常に多い。

真ん中奥の木がカメラをセットしたカラマツ。

シカによる角研ぎ跡が残るカラマツ

角研ぎ跡がさらに剥かれているカラマツ。

角研ぎ跡が大きく剥かれて樹脂がしたたり落ちているカラマツにカメラをセットしました。

古い樹脂は白く乾いている。

真新しい樹脂も分泌されて、辺りに香りが漂っています。

   

      

7月25日から10月9日の間、13回にわたって、ツキノワグマが現れ、クネクネゴシゴシと執拗に体(背中、首筋、胸など)を剥いだ跡の樹脂にこすりつけ、また、樹皮を剥き、かじりといった様子が撮影されました。13回のうち12回は同一の体重90kg位ありそうなオスのクマでしたが、9月23日には母仔グマが現れ、母グマが背擦りした後、仔グマも真似したように木に抱きついていました。奥多摩ツキノワグマ研究グループ代表の山崎晃司さんによると、マーキング行動の一つの「背擦り」行動と思われます。一度立ち去ろうとしたものの物足りなくてまた戻ってきてもう一度、といった行動を繰り返して、松ヤニ部分への執拗な執着が感じられます。また、このカラマツにやってくる前にすぐ近くのスギの剥皮跡に「背擦り」をする様子も別のカメラに写っていたり、カラマツへの「背擦り」の後に、後方に見えるクマ剥ぎされたスギに体をこすりつけたりしていて、カラマツだけではないことがわかります。「背擦り」行動は、ヒグマでは知られていいるものの、ツキノワグマではまだ報告例が少ないということです。また、マーキング行動(自分の臭いを示威あるいは求愛のためにつける)とすると、どうして針葉樹の松ヤニの部分に選択的に臭いツケをするのか、松ヤニの臭いを別のクマの臭いと勘違いしているのか、松ヤニの臭いを自分の臭いで消したいのか、あるいは、実は松ヤニの臭いへの嗜好が強くて自分の体にその臭いをつけたいのか、はたまた、映像個体は、周囲に「クマ剥ぎ」跡の多い森で「背擦り」をしながら時折樹皮剥ぎもしていますが「背擦り」と「クマ剥ぎ」との関連はどうなのか等など、いろいろと謎の多い行動です。

ファイルサイズが非常に大きくなりますが、ブロードバンド環境で、ぜひ動画でご覧ください。

2011.7.30 17:30

クネクネと背中を松ヤニが分泌された剥ぎ跡になすりつける。右写真のヒトと比べると、クマは80〜90kg位はありそうである。

同行の友人(165cm、52kg、A型、4?才)が、なぜか背擦りする。しかし、腰が入っておらず、執念が感じられない。友人の体臭がクマを刺激する可能性は否定できないと思われる。友人のブログご覧ください。

2011.8.20 17:05

カラマツに行く前に、近くのスギのクマ剥ぎ跡に背擦りする。

2011.8.20 17:05

背擦りしていたスギのクマ剥ぎ跡

2011.8.20 17:11

スギにこすりつけた後にカラマツにやってきて胸をこすりつける。

2011.8.20 17:12

オスであることがわかる。

なぜか身長167cm、体重69kgの男性登山者が背擦りを試みている

2011.8.20 17:14

樹皮をむしる

身長167cm、体重69kgの男性がかじろうとしている

2011.8.20 17:14

樹皮をむしる

2011.9.1 10:36

剥かれた樹皮が飛び散る。

2011.9.23 18:19

いつものクマに比べて小振りのクマが現れて背擦りしている。

2011.9.23 18:19

股間の様子からメスのようである。

2011.9.23 18:19

子供が現れた。大きさから昨年仔であろうか。

2011.9.23 18:19

母親の真似をしているのか、臭いを嗅いでいるのか、木に抱きついた。背擦りは、このようにして、母から仔へ伝播しているのだろうか。

2011.10.9 6:48

別角度に設置したカメラからの写真

残されたクマの体毛

残されたクマの体毛

動画はこちらからご覧ください。ファイルサイズが非常に大きくなります。

1  2011年7月25日 18:42

2  2011年7月30日  8:32

3  2011年7月30日 17:30

4  2011年8月 1日 17:16

5  2011年8月14日  6:12

6  2011年8月20日 17:11

7  2011年9月 1日 10:36

8  2011年9月 2日  7:48

9  2011年9月 5日 17:19

10  2011年9月 8日 16:49

11 2011年 9月23日 18:19

12 2011年 10月 2日 8:26

13 2011年 10月 9日 6:48

上の、1〜13の背擦りのうち、11番以外の12回は、同一のオスの個体によって行われたものです。この行動パターンを細かく分析したところ、12回中7回は、背擦り後いったん立ち去ろうとしたものの、再び戻ってきて背擦りをおこなっており、相当な背擦りへの執着が感じられます。また、立ち去ろうとする行動20回のうち8回は、立ち去る直前にカラマツの幹肌を剥く行動をおこなっていて、樹脂の分泌をうながすかのようです。

2012年、背擦りの理由を探るための撮影を試みます。その結果はこちらからどうぞ。

   

   

      

    

         

標高1000mほどのスギの植林地と雑木林の境にカメラを設置しました。中央のスギの木は、つい最近、クマにより樹皮剥ぎをされた木です。動画はこちらからご覧ください。 

2011.5.16 2:58 タヌキ

新しいクマ剥ぎ跡の臭いが気になるのか立ち止まり臭いを嗅ぐが、立ち去る。

動画はこちらからご覧ください。 

2011.5.18 22:23 テン

2011.5.26 6:03 1尖のシカ

2011.5.30 20:17 メスシカ

カメラを注視して警戒。赤色光が見えているのであろう。

2011.5.31 3:23 メスシカ

2011.6.3 0:43 カメラをのぞき込むシカ

2011.6.8 3:44 タヌキ

2011.6.9 9:36 シカ

2011.6.20 16:45 ツキノワグマ

クマが現れ、体(横腹)をこすりつけてから立ち去る。マーキングの一種である「背擦り」であると思われる。クマ剥ぎをしたクマと同一個体か不明である。このクマは、1ヶ月後に、50mほど下のカラマツに執拗に背擦りする様子が撮影された。この木にクマ剥ぎをしたクマと同一かは不明である。

動画はこちらからご覧ください。 

2011.6.22 17:08

サルが現れ、クマ剥ぎ跡に興味を示す。

動画はこちらからご覧ください。 

2011.6.24 23:23 タヌキ

2011.6.26 3:35 シカ

2011.6.30 19:10 シカ

2011.7.1 1:50 イノシシ

イノシシが地上を採食しながら現れたが、カメラに気付き警戒して逃げ去る。

動画はこちらからご覧ください。 

   

     

   

標高1000mの朽ち木の根元に現れたクマが、夜8時過ぎから午前3時前まで寝る様子をご覧ください。

眠っている間も、クマが動くとセンサーが働いて自動撮影されるので、撮影されていない間はほとんど動きがない深い眠りに落ちていることが推測されます。また、途中で2回、もう1頭のクマが現れるので、そのクマも付近でねぐらをとっていると思われます。今回撮影されたクマの行動パターンは、人里に出没する時やオスの交尾期などを除いては、夜は寝て休息する日周行動パターンをとることが多いという、活動量センサー(縦横の動きを検知する)つきのGPS首輪をクマにつけた調査研究とも一致しています。動画はこちら(その1その2その3その4)からご覧ください。ファイルサイズがおおきいのでご注意ください。

また、そうしたGPS首輪による奥多摩のクマの調査研究の一端が、奥多摩ツキノワグマ研究グループ代表・山崎晃司さんによって、タカラハーモニスト研究助成報告に報告されていますので、興味のある方はご覧ください。タカラハーモニスト研究助成報告

1mの折り尺と身長167cmの人間。クマの大きさの目安に比較してご覧ください。

2011.7.31 20:06

霧雨の中、小型のクマが現れ、前足で朽ち木の材をむしるが、そのまま横になり眠ってしまう。動画はその1

2011.7.31 20:17

もう1頭クマが現れる。大きさが今ひとつわからず、関係は不明であるが、寝ているクマは眺めるだけで緊張感は全くなく、母仔、兄弟姉妹などきわめて親しい関係のクマであると思われる。動画はその1

2011.7.31 20:38

前足を伸ばしたまま眠ってしまう。動画はその1

2011.7.31 20:44

2011.7.31 21:08

朽ち木に前足をかけて寝返りを打つ。動画はその1

2011.7.31 21:11

朽ち木を前足でむしった後、お腹を掻いてまた眠ってしまう。動画はその2

2011.7.31 21:43

2011.7.31 21:45

2011.7.31 21:54

体を起こして向きを変えてまた眠る。動画はその2

2011.7.31 22:15

2011.7.31 22:43

2011.7.31 22:50

2011.7.31 23:04

後ろ足で首を掻いてから、また眠る。動画はその2

2011.7.31 23:05

後ろ足で首を掻いてから、また眠る。

2011.7.31 23:06

2011.7.31 23:09

2011.7.31 23:24

動画はその3

2011.7.31 23:37

朽ち木に前足をかけて体も向きを変える。

動画はその3

2011.7.31 23:57

霧が晴れてきた。再び、もう1頭のクマが現れ、眠りから目を覚ます。動画はその3。

2011.8.1 0:10

10分たってもう1頭のクマがまだいるが、かまわず寝ている。動画はその3

2011.8.1 0:34

細い木に足をかけて体がずり落ちないようにしている。動画はその3

2011.8.1 0:36

後足で首を掻く。その4

2011.8.1 0:36

2011.8.1 0:56

2011.8.1 1:09

体がだんだんずり落ちてきている。

2011.8.1 1:20

2011.8.1 1:33

体が一層ずり落ちてきている。

2011.8.1 1:34

首を掻く。動画はその4

2011.8.1 1:37

前足を朽ち木にかけて体を引っ張り上げて再び眠る。動画はその4

2011.8.1 1:37

動画はその4

2011.8.1 2:10

後足を細い気にかけて体を支えるようにしてまた眠る。動画はその4

2011.8.1 2:33

2011.8.1 2:49

起きて、あくびをして立ち去る。動画はその4

クマがむしった朽ち木の材が散乱したねぐら跡。寝ていた場所は圧された感じになっている。

    

標高1000mの大木の朽ち木に設置した自動撮影カメラによる映像・静止画です。

動画はこちらからご覧ください。

2011.7.2  7:51

朝、クマが現れた。動画はこちらからご覧ください。

一目散に朽ち木の内側に向かう。

左前足で落ちている材を探る。

次第に高いところを探る。

左前足で枝をつかんで体を支えながら高いところを探る。

体重69kgの人間と同程度以上のの体格である。

右前足で落ちている材を掻き出す。

体を下ろす。

約20秒あまりで、立ち去る。

約20秒あまりで、立ち去る。

朽ち木の材が崩され掻き出された跡。

2011.7.6 9:13  カモシカ通過。

2011.7.22 19:42 テンが登っている。動画はこちらからご覧ください。

モモンガが、テンの登った先から逃げて飛ぶ。

飛ぶモモンガ。目が光った筋になっている。

テンがくやしそうにモモンガの飛び去った方向を見ている。

テンはさらに上に登る。

テンは、朽ち木の上の材を掻き出しているのであろうか、細かい材のカケラがパラパラ落ちてくる。

30秒後、テンが下りてきた。

    

    

標高950mほどの雑木林の中のミズナラの巨木の樹洞の内側に下向きに設置したカメラの写真・映像をご覧ください。樹洞は、標高950mほどのミズナラの生きた大木にできたもので、開口部の高さが1mくらい、樹洞の内部の空洞の高さは3m位あるものです。2007年、2008年、2010年と最近連続してカメラを設置していますが、今回は、内側に小型のカメラ(下写真)を設置しました。カマドウマ(マダラカマドウマなど種は不詳)が多く、そうした虫を求めて、ヤマネ、コウモリ(種は不明)が連日捕食行動をおこない、クマものぞき込む様子が撮影されました。動画はこちらからご覧ください。

2011.6.6 1:49 その1

画面左下でヤマネがカマドウマを狙って近づく。

2011.6.6 1:49 その2

カマドウマが飛んで逃げる。(白っぽく筋になって写っています)

2011年6月9日 21:45 

ヤマネが下に走る様子が画面上方に写っている。

2011年6月12日 0:48

ヤマネが下に走る様子が画面左下に写っている。

2011年6月21日 3:37 その1

コウモリ(種は不明)が上から下に飛ぶ。

2011年6月21日 3:37 その2

カマドウマがもぐりこんでいる窪に向かう。

2011年6月21日 3:37 その3

コウモリは壁面にとまって、カマドウマがもぐりこんでいる窪に頭を突っ込んでいる。つかまえたのであろうか。

2011年6月21日 3:37 その4

飛び立つ。

2011年6月22日 21:11

ヤマネが下に走る様子が画面上方に写っている。

2011年6月22日 23:48 その1

ヤマネがカマドウマに飛びかかるが、間一髪で飛んで逃げられる(真ん中矢印)。また、左矢印の先にいるカマドウマが、この後、ヤマネに補食される。

2011年6月22日 23:48 その2

ヤマネ(黄矢印)がカマドウマ(ピンク矢印)に近づく。

2011年6月22日 23:48 その3

ヤマネがカマドウマをつかまえた。

2011年6月22日 23:48 その4

ヤマネがカマドウマを口にくわえている。

2011年7月6日 3:46

上からパラパラ落ちる木くずを虫と勘違いしてコウモリが飛び込んできた。

2011年7月16日 21:01

ツキノワグマがのぞき込んで見上げるが、周囲を探っただけで立ち去った。(カメラの赤色光が逆光になっていてクマの視界を妨げていたかもしれない)

2011年7月22日 19:37 その1

ヤマネがカマドウマに飛びかかる。

2011年7月22日 19:37 その2

カマドウマは間一髪で飛んで逃げた。

2011年7月22日 22:30 ヤマネ

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